第74章 本部襲撃
『敵襲!!』
『エクソシスト及び本部内全団員へ!第五研究所にAKUMA出現!現在エクソシスト二名が応戦中!』
『元帥及び以下のエクソシストは至急、方舟3番ゲートのある間へ!ノイズ・マリ!ミランダ・ロットー!』
『ファインダー各隊は室長の支持する位置で待機!』
ヴーヴー!とけたたましいサイレンが、教団内に鳴り響く。
それは教団内の全てのスピーカーと、通信ゴーレムから一斉に発声された。
「よし、じゃあ後は任せたさ!」
「ラビさん何処へ!?」
「知らせは済んだし、現場戻る!」
それを確認して通信室を飛び出す。
武器庫で手頃な槍かなんかでも見つけて、アレン達の後を追わねぇと!
「───っとぉ!?」
その思考を遮ったのは、急に目の前に飛び出してきた女性の生足だった。
「リナリ!?」
「ラビ…!」
横の階段から軽やかに飛び下りてきたのは、裸足に軽装のリナリー。
「裸足で何処行くんさ!」
「エレベーターが今何処の階にあるか知ってる!?」
リナリーもオレと同様、イノセンスを今は所持していない。
そんな状態で何処に向かうのか。
エレベーターって…
「ヘブラスカの間に───」
「リナリー」
言葉を続けるリナリーを止めたのは、その華奢な肩を掴んだ手だった。
「!…兄さん…っ」
「ラビも一緒か」
それは、警護班連中を引き連れたコムイ。
その顔の険しさからして、さっきの放送で状況を瞬時に理解したらしい。
流石、日頃コムリン騒動とか阿呆なことやっててもこの教団で"室長"をやってるだけある。