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科学班の恋【D.Gray-man】

第2章 私の周りのひと。



「はぁ…」



小さく溜息をつきながら、ジェリーさんに貰った定食を手に教団内の食堂の椅子に座る。
今日のメニューは天ぷら定食にしてもらいました。
日本食好きなんです。

でもなんとなく箸が進まない。

自分の醜さなんて、わかってるのになぁ…。



リーバー班長に惹かれたのは、最初は上司としての憧れだったと思う。

中間管理職で上にも下にも目を向けなきゃならないのに、いつもしっかり周りを見ていた。
部下のこともきちんと考えてくれていて、新人の私にもよく声を掛けてくれた。

仕事が終わったらすぐ休めって、体に気を遣ってくれたり。
かと言って女性だからって差別することなく、職場では他男性職員と共にしごかれた。

憧れた。

仕事はキツかったけど、良い上司に恵まれて、良い同期に恵まれて。
…まぁコムイ室長が良い上司かと言えば、ちょっと考えるけど。
でも皆、基本良い人だ。



この組織で何よりも重要な戦闘員である、エクソシスト。
彼らも最初は近寄り難いのかなって思ってたけど、そうでもなくて。

神田は確かに性格に難はあるけど、話せば伝わる人だし。
リナリーはキツい職場の天使だし。
ラビも話していて楽しいし、アレンは優しくて紳士だし。
エクソシストの更に上の立場である元帥だって、癖のある人ばかりだけど常識ある人もいる。

つまり私の周りには個性的で、それでいて尊敬できるような人ばかりだってことだ。

良いことだと思う。

…でもその反面、私の嫌な所も浮き彫りになってる気がする。
比べるようなことじゃないのに、周りと比べてしまう自分が情けない。



「はぁ…」



もう一度、深い溜息をついた時だった。



「うわ、暗っ」



私の頭の上から、声が降ってきたのは。

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