第69章 夢世界
「……割り切ってなんか…"オレ"は…人間に失望してた」
体が熱い熱気に包まれて消えていく。
なんとか動かせる口だけ開いて、涙を目に溜めた"オレ"に言ってやった。
「いつまでも争い続ける人の世界…自分は違うと思っていたかった…なぁ…お前にはわかるか…?」
ブックマンは、なんの為に在るんだろう
どうして人の世界から、戦争は消えないんだろう
「…なんで"オレ"に聞くんさ…っそんなのわかんねぇよ…」
ぐずぐずと、ガキの"オレ"が嗚咽を零して泣く。
ちっぽけで弱い"オレ"自身の心。
「"オレ"はお前なんだろ。48番目までのお前も49番目の"ラビ"も一人の"オレ"だ」
そんな"オレ"でも、オレの一部だから。
"普通であってもなくても。どっちもそれはラビのものなんだよ"
出してるオレも隠してるオレも。
全部があって"オレ"なんだと教えてくれたのは、南だった。
「問うてるのはお前だよ」
もう視界も見えない。
意識も薄れていく。
「変わり始めてるのは、お前だったんだ」
体が熱さで麻痺して、もう感覚も何もなくなって。
「"ここ"から出るべきは…」
ボッと最後に小さな炎の音を立てて。
その答えを知りたがっていたのは───…
そしてオレは、"ここ"から消えた。