第67章 出会い
ガタン
ゴトン
バク支部長から聞いた、コムイ室長から届いた教団本部の報告。
それはとても重い内容だった。
ガタン
ゴトン
ケビン・イエーガー元帥の死。
クラウド部隊とソカロ部隊のエクソシストも、元帥を残し全員死亡。
ティエドール部隊からも、エクソシストであるデイシャ・バリーの死が確認された。
「………」
ティエドール部隊の神田とマリは無事だったんだ…でも怪我を負ったりはしていないのかな。
つい三日前まで一緒にいたからこそ、神田の姿が脳裏に浮かんで不安になる。
"俺は早々死なねぇよ"
そうはっきりと口にした神田に、私も簡単に神田と死は直結できなかった。
エクソシストとしての強さは知っていたし、現にノアと対峙するその強さを目の当たりにしていたから。
ガタン
ゴトン
そして残るクロス部隊は今のところ誰も死亡報告は届いていないみたいだけど…それも"今"だけ。
こうして教団に戻っている間にも、誰かの"死"が起きているかもしれない。
アレンやリナリーやミランダさんやクロウリーや───
"南ー、"
思い出したのは明るい赤毛。
緩い口調でよく私の名前を呼んでいた。
人懐っこい笑みを浮かべて、いつも私を引っ張っていってくれた人。
「…っ」
……ラビ…ちゃんと、生きてるよね…?
「南、」
静かに名前を呼ばれて、はっとする。
顔を上げれば、心配そうに見てくるリーバー班長と目が合った。
「…酷い顔してるぞ」
いつもより覇気のない声で、それでも気遣うように声をかけてくれる。
駄目だ…気遣わせてしまった。
「すみません」
「いや。そんな顔になるのも無理ないだろ。…でも一人で抱えるな」
車両で向かいに座っていた班長が、静かに席を立って隣に腰掛けてくる。
「生きてる者もいる。今はその人達の無事を願っていよう」
ぽすりと、大きな手が頭に乗る。
そのまま優しく引き寄せられた。
「…はい」
引き寄せられるままに、班長のコートに頭を凭れる。
まるで小さな子供のようで情けないと思ったけど、今はこの体温を感じていたかった。