第11章 ぬくもり
カチコチ
カチコチ
時計の針の音だけが、馬鹿みたいに耳に響く真夜中の静寂の中。
「…遅い」
何度目になるかわからない溜息をついて、机にペンを置いた。
ゴーレムを貰ってくるだけなのに、時間が掛かり過ぎじゃないか。
あっちで映像処理でもしてんのか。
此処で働いていれば、忙しい職場だから時間短縮させる癖は自然と身に付く。
だからと言って手間を省く為にラビの所で仕事するにしても、やはり時間が掛かり過ぎている。
「…何かあったか」
何かってなんだ。
あったら駄目だろ。
自分で呟いた言葉に、自分の脳内でツッコミを入れて再び溜息。
「……行くか」
暫く頭を抱えて悩んだ末。
結局進まない手元の仕事に、その問題を片付けることを優先した。