• テキストサイズ

科学班の恋【D.Gray-man】

第55章 ゲーム開始



思わず振り返った目の前には、淡い色のロングスカート。
視線を上に上げて見えたのは───…あ。



「アラ。貴女、オ昼ニ会ッタ…?」



昼間カフェテラスで班長と話していた、あの物腰柔らかい綺麗な女性だった。

と、いうか。



「わ…わたしのこと、みえてます…っ?」



今、私に声かけてくれたよね!?

傍から聞いたら変な問いだけど、今の私にはこの人が救世主に見えた。



「見エテル?…エエ、見エテルワヨ。チャント」



きょとんと瞬いた目は、可笑しそうにクスクスと笑う。
それでも小さな子供を相手にするように、きちんと応えてくれた。

イジメてこない人、発見…!



「ドウシタノ、コンナ所デ一人。ウェンハムサン達ハ?」

「それが、その…えと…はぐれちゃった、みたいで…」

「マァ、ソウナノ?」



屈んで親切に問いかけてくれるその人には悪いけど、咄嗟に嘘をつく。
実は周りから盛大な無視を受けてるんです、なんて言えないし。
ごめんなさい。



「へやにもどりたいんですけど、かえりみちがわからなくて…」

「ソノ部屋ノ番号、ワカル?ワカルナラ、連レテ行ッテアゲラレルカラ」

「ほんとうですかっ」



思わず喰い付けば、クスクスとその人は綺麗に笑って頷いた。



「困ッタ時ハ、オ互イ様デショウ?」



どうしよう、この人がまるで女神に見える。
ありがとうございます…!



「ソウイエバマダ、オ名前聞イテナカッタワネ。私、マリアッテイウノ。貴女ハ?」

「みなみです」

「南チャンネ。ヨロシク」



優しい笑みを浮かべるその人は、名前まで女神様でした。









/ 1387ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp