• テキストサイズ

科学班の恋【D.Gray-man】

第53章 友達の印



「ソレジャア、ウェンハムサン。色々話セテ楽シカッタワ」

「こちらこそ。良い旅を」

「貴方モネ」



腰を上げた女性が、やんわりと軽く会釈をしてその場を去る。
にこやかに見送っていた班長は、やがてその目をこちらに向けた。



「おいおい、なんだよリーバー。折角の美女を易々帰して」

「なんだよ、煩ぇな。それよりお前は南で遊び過ぎなんだよ。目を離すとすぐこれだ」



絡むジジさんを鬱陶しそうに手で払って、高い身長を屈ませて班長が顔を寄せる。



「プール楽しめたか?南」

「あ…はい、」

「そうか。ならよかった」



くしゃりと一度だけ頭を撫でて優しく笑う班長の顔に、なんだかほっとした。
神田もジジさんも私を子供扱いするけど、班長だけはいつも通り。
変わらない態度で、私を見てくれてる。



「…ん?なんだ?そのキャンディ。ジジに買ってもらったのか」

「あ、いえ。さっきそこで13さいくらいの、おんなのこからもらったんです」

「へぇ、友達ができたのか。よかったな」

「………はい」



…多分、見てくれてる。

うん……多分。









/ 1387ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp