第51章 12/25Xmas(番外編)
南さんに対して、恋愛感情というものはなかった。
彼女を誰かが泣かすなら、黙っていられないし。
彼女に危険が及ぶなら、全力で助けたいと思う。
それは人として南さんのことが好きだから。
そう思っていたけれど。
「そだ、こっちも言い忘れ。メリークリスマス、アレン」
「あ、はい。メリークリスマス…って、寧ろそっちが主体ですけど」
「確かに」
クスクスと笑えば、少し気恥ずかしそうに南さんが苦笑する。
12月25日。
クリスマスだと活気付く人々の中で。
クリスマスではなく、僕の誕生日として祝ってくれたこの人を。
この日だけは、僕のものにしていたい。
そう思った。
「…僕、来年のクリスマスは食い気じゃないかも」
「うん?食い気?」
「あ、いえ。こっちの話です」
今ならラビの気持ちも、わかるかも。
だから今日この日だけは、許して下さいね。
…………あ、でも。
本当に南さんを泣かせたら、その時は僕が貰いますけど。
・:*+.Merry Christmas
&
Happy Birthday・:*+.