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科学班の恋【D.Gray-man】

第44章 新たな任務



「とりあえず、けんさのほうおねがいしますね」



とにかく今すべきことをしないと。
そう思って、改めてコムイ室長にその話を戻せば。



ガチャ、



タイミングを計ったかのように、司令室の扉が開いた。



「入るぞ」



ノックもせずに声かけだけで、この一番偉い人の部屋に入る人物なんて限られていて。



「…かんだ?」



それはつい先日、色んな意味で世話になった人物だった。
なんだろう、六幻も直ったし任務とかかな?



「うん、待ってたよ神田くん。其処に座って」



ソファに促す室長に、お邪魔かなと思って距離を置く。
検査は後でしてもらおう。

だけど。



「あ。南くんもね。其処、座って」

「え?」



何故か、神田と一緒のソファに促された。
なんで?



「僕が南くんを呼んだのは、薬のことだけじゃないんだよ」



どういうことだろう。
思わずリーバー班長に目で問えば、班長も知らなかったようで、肩を竦めて首を横に振られた。
すると室長は書類が無造作に山積みになってる自分の机に戻って、そこから一枚の書類を引っ張り出した。



「これ。見覚えがあるんじゃないかな?」

「………あ。」



一体なんなのか一瞬わからなかったけど、よくよく見えたその書類に思わず声が漏れた。

あれ、私が作った六幻の検査書だ。

真意がわからず困惑気味に見ていると、室長はにっこりとだけ笑った。
いつものおふざけしてる時じゃない、"上司"としての顔で。



………嫌な予感。






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