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科学班の恋【D.Gray-man】

第38章 宴のあとに‐R.W‐



「ぅー…頭痛ェ…」

「こっちー、書類回してー…」

「自分で運べよなぁ、それくらい」



朝。

いつもの時間帯に、いつものように仕事に取り掛かる。
だけどいつもと違うのは、皆頭を抱えて顔色も悪く。



「……飲み過ぎた…」

「ぉぇ…」



二日酔いオンパレードの、真っ最中だった。



「もう。いつもいつも、飲み過ぎちゃ駄目だって言ってるのに。聞かないんだから」



あちこちで唸り声が上がる中。
忙しなく皆にフルーツジュースを配っているのは、リナリー。
悪いな、いつもいつも。



「リーバー班長も、どうぞ」

「ああ、ありがとう」

「今回は珍しく班長も酔い潰れちゃったんだってね」

「あー…まぁ…面目ない」



貰ったジュースに口を付けながら、返す言葉も少なく苦笑する。

酒は苦手意識があるから、毎回飲み過ぎないようにしていたのに。
変に周りに巻き込ませないよう南の傍を離れなかったからか、ジジ達が飲ませてくる酒を回避できなかった。
そこで泣き喚く室長と晩酌なんてすれば、すぐに酔いは回ってしまった。

今度から気を付けないとな…。



「南さん。はい、頭痛薬」

「え?」

「アレン君から聞いたの。頭、痛そうにしてたって」

「うわぁ、ありがとう。助かった…っ」



移動するリナリーを目線で追えば、頭を片手で押さえつつ仕事をする南が見える。



「………」



酔い潰れただけなら、まだいい。
まだいいんだが。

…朝、食堂の飲み会場所で南に起こされた時、一瞬まだ夢の中かと思ってしまった。
朝日を受けながら、起きて下さいと声を掛けてくる南に。






"やめ…、班長…っ"






泥酔しながら夢の中で見た、南が重なってしまったから。



「……あり得ねぇ」



夢の中の南は、普段見ている南の姿じゃなくて。

上擦った声とか。
真っ赤に染まった耳とか。
汗ばんだ首筋とか。

知らない姿の、南がいた。
………それも俺の腕の中で。



「…どんだけ欲求不満なんだ…俺」



思い出して、顔が変に熱くなる。
いくら好意があっても…ああいう夢なんか見たら駄目だろ。

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