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科学班の恋【D.Gray-man】

第36章 宴のあとに‐L‐



「ごめんね、二人共」

「大丈夫ですよ。ジョニー一人じゃ大変だろうし」

「医務室から逃げ出す口実になったしな。寧ろ助かったさ」



申し訳なさそうに呟くジョニーに、首を振る。
夜遅い教団の廊下には、オレとアレンとジョニーの三人だけ。

婦長に捕まってアレンと一緒に医務室での寝泊りを強制させられてたから、ジョニーの手伝いは天の助けだった。
にしても…こんだけの毛布、一人で運ぶなんて到底無理だろ。
しかも酔った今のジョニーには。



「こんな遅くまで飲み会なんて。科学班も、お酒好きですね」

「今回は南の初任務祝いでやったんだよ」

「南の?」



ってことは、南も参加してたんさな。
…酔い潰れてなきゃいいけど。



「途中でクロス元帥は参加してくるし、室長は新しいコムリン暴れさせるし。色々大変だったんだよ、もー」

「…え。師匠が…え?」

「おいおい」



簡単に聞き流せない出来事ばかりに、思わずツッコむ。
科学班の皆が酔い潰れたってだけ聞いてたけど。
…それ、コムリンに潰されたんじゃねぇよな?



「し、師匠、まだ其処にいるんですか…?」

「うーん…多分、いないんじゃないかな。南が潰れたら介抱しそうだけど。男には基本冷たいし」



顔を青くして問うアレンの心境は、なんとなくわかる。
頭を金槌で殴ってくるような師匠なら、トラウマにもなるってもんさ。



「南が潰れてなかったから、皆を見てくれてるよ」



それを聞いて、ほっとする。
科学班の中で、結構揉まれてる姿見たことがあったから。
そうならずに済んだってことか。



「ほら、あそこ。おーい、南。毛布持ってきたよーっ」



まだ少し覚束無い足取りで、ジョニーが食堂の一角に向かう。
仕切りのあるその中を覗けば───…うわ。
あちこち屍みたいに酔い潰れている科学班の連中がいた。

見事に皆お陀仏さな…。



「…うん。いない」



キョロキョロと入口から辺りを見渡しながら、アレンがぼそりと呟く。
クロス元帥の脅威に怯えてる姿に、思わず同情しそうになった。

オレと同じ弟子って位置付けだけど、アレンも色々苦労してるんさな…。

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