第5章 オレの宣戦布告。
「あー、楽しかった」
「仕事疲れ、取れたさ?」
「うん、ばっちり!ありがとね」
一日南と街のあちこちを回って、教団本部に帰り着く頃には夕日が空に浮かんでいた。
ぐぐっと両手を上げて伸びをしながら、笑顔を見せる南にオレも満足する。
というかホッとした。
良かった、南に喜んでもらえて。
「なんかごめんね。今日は色々してもらって」
「気にすんなよ。オレがしたいから、しただけさ」
「良い子だなぁ、ラビは」
そう言って背伸びした南の小さな手が、オレの頭を撫でる。
身長は高いオレだから、指は辛うじて毛先を撫でるだけ。
そういう仕草が可愛いんだけど…てか、近い。
んな子供扱いされんのは複雑だけど、すぐ近くに南の顔があるから変に動けなかった。
「じゃあ、お礼に今度は私が何か奢るよ」
「へ?」
にっこりと笑って言う南に、思わず胸が騒ぐ。
それって…またこうして一緒に出掛けんの、誘ってもらえてるってことなんかな。
…まぁ南のことだから、特に深く考えずに言ってんだろうけど。
「んじゃ、非番の時はまた声かけるから。…その時は付き合ってくれるさ?」
「うん、勿論。私も非番だったらね」
それが簡単に実現しないのはわかってたけど、でも嬉しかった。
糸のように細い不安定な口約束だったけど、それでも。
オレ、片想いの乙女みたいさな…これじゃあ。
ユウ辺りに知られたら、馬鹿にされそうさ。