第4章 オレの好きなひと。
「こんな場所、あったんだ」
「隠れスポットってやつだな」
「流石ラビ」
気持ち良さそうに足湯に浸かって、ふやっと砕けた笑みを見せる南。
そういう無防備な笑顔を見ると、ああやっぱ好きだなぁって改めて思う。
ズボンばっか履いていて、普段は見えない南の白い足を見るだけで変に胸は騒いだりして。
…発情期のガキか、オレは。
大体、仕事熱心でいつもは化粧なんてしてなくて。
そんな南にオレは惚れたんだ、こんな綺麗に着飾ってたら変に胸が騒いでも仕方ないっての。
南はリナリーのことをよく可愛い可愛い言うけど、オレからすれば充分、南だって可愛いと思う。
それは顔立ちとか外見のもんじゃなくて、何気ない仕草や言葉や雰囲気なんかがそうだ。
「此処、美味い店も沢山あるんさ。後で行こうぜ」
「うんっ」
夢中なことには、素直に喜んで子供みたいに無邪気に反応したり。
背丈はあるオレだから、隣を歩けば小動物みたいに歩幅を合わせてちょこちょこついて来る姿だったり。
そういうとこ普通に可愛いと思う。
南がリナリーで癒されているように、そんな南の言動にオレは癒される。
可愛さは、見た目だけじゃねぇんだよな。