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科学班の恋【D.Gray-man】

第1章 私の好きなひと。



「ぅぅ…眠い…」



窓の外から差し込む、晴れやかな朝日。
おはようございます。
すっかり時間帯は朝ですが、私は激しい睡魔に襲われています。

理由は簡単。

今日も今日とて、ヴァチカンによって設立されたこの対AKUMA軍事機関"黒の教団"。
その科学班配属勤務である私は、給料にもならない残業に追われているからです。

ああ、朝日が眩しい。



「残りの書類は…えっと…」



お風呂に入れず終いでボサボサになった頭を掻きながら、目の前の書類に手を伸ばす。

なんでこんな過酷な職業を選んだかというと。

肉弾戦も交える探索班(ファインダー)は、私には不向きだし。
エクソシストなんて才能も、勿論私にはない。

偶々頭を使う分野で仕事ができたから、此処に就職することができた。
それだけです、はい。

就職の際の理由なんて、そんなもの。
就職してから職場の大変さを知るのも、そんなもの。

今更辞めたい辞めたい思っても、どうしようもない。
……というか、私の気持ちがどうしようもない。

理由は簡単。



この職場で好きな人ができたから。



それも仕事の上司。

好きな相手がエクソシストやファインダーだったら、死と隣合わせだから不安になってしまうけど。
同じ科学班の一員だから少しだけ安心できる。
それでも一般市民より、遥かに命は危険に曝されているんだけど。

戦死ではなく、過労死的な意味で。
私もついこの間また点滴打ちに行きましたよ、ええはい。

兎にも角にも私、椎名南。
一応、日本人。
だから神田の蕎麦好きも、割と理解してるつもり。



そんな私は只今、専ら徹夜続きの仕事に追われているのです。

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