第83章 私の好きなひと。《リーバーED》
いつも
誰からも頼られてばかりで
日陰の助け役ばかりを望んで
沢山の哀しみを背負ってきた背中は
そんな気配を少しも見せずに、いつも誰かを支えている
人一倍、努力家で
人一倍、自分に厳しくて
人一倍、熱情を持っていて
そして
人一倍、優しい涙を知っている
自分のことには不器用で
いつも一歩退いた所から、他人の笑顔を見守っているような人
その人の隣にこそ立ちたいと思った
その人の瞳にこそ映りたいと思った
特別なものは何も持っていないけれど
私には、その瞳もその手もその声も
ぜんぶ何より、特別なものなんだ
それが、私の好きなひと。
《リーバーED》fin.