• テキストサイズ

科学班の恋【D.Gray-man】

第20章 骸



どことなく小さな亀裂が入ったままだった、ラビとの関係。
無事解決した訳じゃないけど、その笑顔の仮面を取ることはできた。

よかった。うん。
本当に。うん。

…うん。

だけど。



「…………ここ、どこ」

「明らかに上の屋敷より敷地広くね…?」



アレンじゃないけど、若干路頭に迷い中。
否、地下迷路に迷い中。
というか心が迷い中です。

こんな真っ暗でじめじめした所、早く出たいのに…!



「こんな迷路だったら、大人しくあそこで待ってたのに…!」

「なら今から戻るさ?結構な距離歩いて来たけど」

「嫌です」



簡単に戻れる程の時間じゃない。
もうそろそろアレン達も様子見に、屋敷に迎えに来てくれる頃かも。



「しっかしなんの為に作ったんだ、これ。雑な造りの割には、しっかりしてるし」



コンコンと、ラビが近くの剥き出しの岩の柱を拳で叩く。



「…?」



その時、不意にまたあのきな臭い臭いが鼻を掠めた気がした。
辿るように視線を巡らせる。
迷路のように細い通路を何度も通ると、一定の間隔で広い部屋に出る。
今いる場所も少し開けた場所で、あちこち無造作に瓦礫や木屑や色んな物が散らばっていた。

昔この屋敷に住んでた人が使っていたのかな…?



「ラビ、此処見て。こっちにも通路がある」



臭いを辿るように進めば、小さな通路の入口が見えた。
他の通路と違ってそんなに長い道じゃない。

/ 1387ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp