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科学班の恋【D.Gray-man】

第81章 そして誰もいなくなった



「こっこのままじゃ本気で殺される…!」

「どうするんですか室長!あんたの所為ですよッ!?」

「えぇえ~!?どうするって言われても…っなんとかしてぇコムリンEXぅう!!!」

『了解』



ロブやリーバーの言葉に背を押されながら、コムイが泣き付いたのはこの場で一番信頼を置いている人物。
否、自らの手で作り出した機械。
コムリンEXだった。

返事一つで頷いたコムリンは、ガシャン、と大きな胸板の鉄板を左右に開いた。
そこに貯蔵されていたのは、大量のミサイル。



「え。」

「ま、まさか…」

「待っ…!」

『イーエーックス!!!』



ミサイルを見た途端、コムイも含め一斉に青褪める科学班一同。
果てしなく嫌な予感しかしない。
そしてその予感通り、止める間もなく全てのミサイルは縦横無尽に発射されたのだ。



ドォオオンッ!!!



ティエドールとクラウドの放ったイノセンスの衝撃以上の爆破が、ゾンビ化人間だけでなくアレン達全員を巻き込み襲った。
激しい爆風と熱風、そして床下が更に崩れ落ちる気配。



「きゃあぁあ!?」



あっという間に視界は真っ黒な煙に覆われ、崩れる瓦礫に混じって南の体も真下へと落下した。



「あだッ!」

「ぎゃん!」



どふんっ!と下の階に尻から落ちる。
しかし思った以上の痛い衝撃はなかった。
代わりに耳に届いたのは、短い悲鳴。



「あたた……あれ?」

「っ南…ど、退いて…」

「え?…わ!ラビ!?ご、ごめんッ!」



見下ろせば、尻に敷いていたのはうつ伏せに蛙のような格好で倒れている子供姿のラビ。
いつかの任務先で暖炉から地下穴へと落下し庇ってもらったことはあるが、あの時と今ではラビの体格はまるで違う。

慌てて南が飛び退けば、ふらふらと力尽きた様子でなんとかラビも起き上がった。
幸いにも、怪我はないらしい。

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