第4章 葉の露
「単刀直入に聞く…お前は何者だ?」
部屋に入って一言目がそれだった。
「…ただの町民ですよ」
「嘘つけ、ただの町民が暗器なんか持ってるかよ」
確かにね。
「土方さんはもう気づいてるんじゃないですか?」
だから、俺をここに呼んだんじゃないんですか?
「…忍は普通、新選組にゃ入らんだろ」
「ご明察、だけど元です。俺にはやることがあるのでやめました」
素直に肯定すると少し面を食らったようだった。
「…やること?」
「はい、詳しくは黙秘します。それに千鶴ちゃんを守るというのもしなければならないですし」
沈黙が流れる。
「忍時代に培った技術は上にいる人よりも高いと思いますよ」
にっこりと笑って付け足す。
「…バレてるのか…山崎」
「はい」
土方が山崎と言うと上から人が降りてきた。
「忍、ね。納得いった。どんだけ調べても何も出てこないわけだ…何故千鶴を守ろうとしている?」
「千鶴ちゃんは、俺の家族も同然です」
「家族?でも…」
「俺は訳あって拾われて忍になりました…ある事件をきっかけに、俺と千鶴ちゃんたちは離れ離れになったんです」
これ以上は何も聞くなという無言の圧力をかける。
無駄かとも思ったが意外にも土方は引き下がった。
「…なるほどな」
…ため息が出る。
「ま、俺は気配を読むのも消すのも得意ですし役に立つと思いますよ」
「…お前の所属は後日伝える。今日は千鶴に屯所内の案内でもしてもらえ」
「はーい」