第1章 太郎さんの初恋と苦悩
いつもの雰囲気とは全く違う弟刀に私は少し緊張した
すると次郎太刀は深呼吸をして話を始めた
「5日前、近侍に任命されたとき主の部屋を掃除したのよ、そしたらねちぇろのはいってる『ちぇろけーす』っていうのを倒しちゃったの」
次郎太刀の言う『ちぇろけーす』というのは多分ちぇろを入れる黒い入れ物のことだろう
「壊れた、と思って中を開けたらその中は二重底になってて封筒が入ってたのよ」
「封筒?」
「そうだよ、気になって中を見たらね、紙が何枚か入っていたの」
「その紙には一体なんと書かれていたのだ」
ため息を吐いてから次郎太刀は改めて私に視線を合わした
そして覚悟を決めたのか重い口を開いた
「中には医者からの診断書が入ってた
そこには、こう書いてあったわ」
『このままこの本丸に居続けたら あと命は半年ってね』