第1章 太郎さんの初恋と苦悩
覚悟を決めて、太郎太刀の懐に抱きついた
「太郎!!死ぬなら私を殺してからにしてください」
割腹しようとすれば絶対、自分のどこかを傷つけることになる
案の定太郎太刀は少し悩んだようだったが、短刀を降ろしてくれた
「太郎さん、自分を傷つけないで!!貴方は私の大切な家族です、死ぬなんて言わないで!!」
「でも私は主を、、、」
「それは私を助けるためでしょう、本来なら恩賞ものです、太郎、ありがとう」
意外だったのだろう、太郎太刀は何度も私に聞いた
「主、本当によろしいのですか、本当に?」
「はい、こちらこそお礼を言わなくては、太郎さん ありがとう」
「主!!」
そのまま太郎さんの大きい体に包まれた、暖かく、優しい抱擁だった
「太郎さん 改めて、これから宜しくお願いしますね」
「はい、この身をかけて貴方をお守りします」
優しい声を聴きながらゆっくりと目を閉じた