第1章 太郎さんの初恋と苦悩
余命宣告を受けてから一ヶ月がたとうとしたとき、ついに体に異変が起こった
異変が起こったのは近侍の次郎太刀と仕事をしている時だった
「主、ほらそんな事は私に任せてどんと座ってなさいって」
「いやぁ、そんな 悪いですよ」
少し前から次郎太刀の私に接し方が、かなり丁寧になったことに不安になっていた
(もしかして私はそんなに体調が悪そうなのかな、それともバレたのか、、、そんな訳ないよね)
そう思いながら次郎太刀を見つめると目をそらされた
ますます怪しい、まさか本当に封筒をみたのか
(ここは聞いてみたほうがいいな)
覚悟を決めて次郎太刀に声をかけようとしたその瞬間
「あの次郎さ、、、」 「バタッ」
体に力が入らなくなりその場に倒れた
「主? だれか、 誰か来て!!」
悲痛そうに叫びながら次郎太刀は僕を揺すった
「主 主、目を開けてよ 死なないでよ、まだ時間はあるはずでしよ主、ある、、、」
薄れていく意識の中で確信した、次郎太刀は封筒を見たのだと