第1章 太郎さんの初恋と苦悩
主の本丸には他の刀剣男子や私を含めて二十人ほど顕現しているらしい
その中には私の弟刀である次郎太刀もいた
「あら、兄貴じゃない久しぶりねぇ」
「貴方は全く変わっていないですね」
古い付き合いである次郎がいたのはとても有難いと思った
その他の刀剣男子にも話しかけられたがどれも気のいいやつばかりだった
「やはり主の影響なのでしょう」
自分の考えを口にすると次郎太刀は 「当たり前よ兄貴、この本丸で鍛刀された刀は全員主の澄んだ心と音に引き寄せられたんだから」 そう言った
「音?」
確かに私も澄んでいる【何か】に引き寄せられたのだが音とはいったいどういうことだ。
その何かを考えている私にどこからか優しく深かい音が聴こえてきた