Let's play our music!【うた☆プリ】
第14章 成長〜side??
早乙女学園。
現在第1線で活躍する芸能人らを輩出し、その倍率は上がり続ける芸能養成学園。
ここに、あの子が今通っている。
昼休みで、生徒は皆食堂に行っており廊下には誰もいない。
それを好都合として、目的地まで足早に進む。
向かった先は、学園長室。
軽く数回戸を叩くと、すぐに学園長独特の話し方が私を迎えた。
「よっく来てくれました!!」
「本日は貴重な時間を割いて下さりありがとうございます」
中には日向龍也と月宮林檎という大物の姿もある。
どうやら私の来訪は告げられていなかったらしく、2人とも驚いたように目を見開いていた。
「初めまして…いつもあの子がお世話になっています」
丁寧に頭を下げると、釣られたように会釈を返される。
促されるがままにソファに座ると、すぐに月宮さんがお茶を出してくれた。
「ありがとうございます」
「いえ…それにしても驚いたわ、どうしてあなたみたいな人が…」
「おい、オッサン。そろそろ教えてくれねぇか、俺らがここに呼ばれたわけをよ」
月宮さんの声を遮り、日向さんが学園長に食ってかかる。
対する学園長はというと、高らかに笑うだけで彼には何も答えずに私の方を向いた。
「早速本題に入りまショウ…ここに来たということは、YOUはミーの事務所に移籍する覚悟が出来たという風に受け取っちゃってOKなんデスね〜?」
「はい」
「え?!ちょ、何、どういう事?!?!」
「おい聞いてねぇぞそんな事!」
やはりこの件は学園長…否、社長の独断だったらしい。
公でもなく、あくまで私的に打診してきたことから予想はついていた。
そして、この事がどういう意味を持つのかも。
「…で、私の初仕事は誰の作曲ですか?」
「ふっふっふっ…YOUも良く知る人間といえば分かりマスか?」
そう聞いて頭に浮かぶのは2人の人間。
1人は既にシャイニング事務所でアイドルをしている彼。
もう1人は現在この学園に通っている彼女。
そう私が考えることも予想済みだったのか、学園長は満足げに笑って、正解デスゥとやや意味ありげに呟いた。