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Let's play our music!【うた☆プリ】

第12章 舞姫〜side神宮寺レン



今日、華の家で開かれるホームパーティーで、華が踊ることは知っていた。

でもその代役を、が踊ることは知らなかった。


彼女に頼まれた差し入れと激励の言葉を持って扉を開けた時、目の前にいたのは。

普段着ないような大胆な衣装に、思わず息を呑んだ。


見惚れてしまったことを、誤魔化せたかは分からない。
それでも、暫く華に視線を向けて話し、の方を見ないことで平静を取り戻そうとした。



珍しく不安を素直に口に出す彼女の肩が震えていて、たまらず抱きしめてしまった。
自分1人で戦ってきた彼女に、今は仲間がいると伝えたかった。

あの日、あの時からただの"仲間"に戻った俺たちだったけど、君が特別なことはもう隠せそうになくて。

俺がいることを、彼女に感じてほしくて。

華の存在も伝えることで恋心だけを巧妙に隠した彼女への激励は、届いただろうか。
背中を押した時の彼女の瞳は、今までにないくらい澄んでいたように見えたけれど。





「真ん中は君の場所だ」


勝手に口から出た言葉だった。
メインは華ではないかと怒られるかとも思ったが、そこまで気にしている余裕はなかったらしく、特に何も言われなかった。

そういった理由は、薄々思っていたことにある。
はやはり、作曲家よりアイドル向きではないかと。

それは、作曲家の才能がどうとかそういう話ではなく、彼女が生まれ持つ力ゆえ。


初めて彼女を見た日から、周囲を引き付けて離さない力。

天性の華やかさ。






そしてそれは、披露されたダンスで見事に証明された。
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