• テキストサイズ

Let's play our music!【うた☆プリ】

第11章 パーティーにて



「本気で言ってる?!絶対嫌!」

「もうしか頼れる人いないのよ!お願い!」


私に服を押し付ける華と、それを必死に押し返す私。
こんな動作と言葉をかれこれ30分程続けていた。

バカバカしいことこの上ないが、ここで引くわけにもいかない。

「友ちゃんとかに頼めばいいでしょ?!」

「もう皆出掛けてていなかったの!あの授業一緒に受けてたじゃない!」

「そりゃSAクラス合同の全員参加レッスンだったしね!」


事の発端は、1時間前。

ある休日、伊集院家で行われるホームパーティーに招待されて、彼女の家にやってきた私。

彼女から少し早めに来てと連絡を受けたのでその通りに向かうと、家の中はなにやら慌ただしかった。

このホームパーティーでは彼女がお客様にダンスを披露する時間が設けられており、ある意味それがメインと言えた。

そのために先日華と衣装を買いに行ったのだ。


「華様のご友人の方ですね?こちらへどうぞ」


メイドに案内されたのは華の自室。
様をお連れしましたとメイドが告げた瞬間、華が救世主が来たかというくらい救われたような顔をして私に抱きついてくる。



その時から、嫌な予感はしていたのだ。



「来てくれてありがとう、助かる!」

「助かる?何が?」

もっともな質問をすると、彼女はクローゼットそばにあった紙袋をガサゴソとあさり、中から1着の服を取り出す。

どうやら以前彼女と買った衣装の色違いのようだった。


「はい、これ着て!」

「……………は?」


そしてそれを目の前に差し出されたのである。

思わず間抜けな声が出て、開いた口がふさがらない私の沈黙を了承と勝手に受け取った華はメイドさんを呼んで私の準備を手伝えという。

そこで我に帰り、華に自体の説明をするよう求めた。


「実はさ…」


今回、華は授業でやった2人で踊るダンスをする予定だったらしい。
同じクラスの1人にペアを頼み、立ち位置やら衣装やらアレンジを考えて、ようやくお披露目といったところで、今日その相方が熱を出して来れなくなったというのだ。


「なるほどね…」

「そう。で、その代役をに頼もうと思ったわけ」

「いやそこでなぜそうなる?」

「いいじゃん!お願い!」

「無理だよまともに踊ったことないんだよ?」
/ 200ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp