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Let's play our music!【うた☆プリ】

第25章 信じること




再び私と麗奈、そしてQUARTET NIGHTの皆さんは合宿に戻った。

各々の歌の作成も最終段階に突入。
先輩方は歌に合わせたダンスも考え始めており、日に日にその緊張感は高まっていった。


その度に皆さんの凄さを実感しながら、私もまた日々を歌詞を考えたりアレンジを相談したりと目まぐるしく過ごしていた。
そんなある日のこと。


「うん、これだね」

「そうね。良いと思うわ」


私の曲がようやくまとまりを見せて、納得のいくものに仕上がった。
麗奈もまた満足そうな表情を浮かべていて、あとは私の歌詞だけだと肩を軽く叩いてきた。


「考えてる?」

「うん、わりと出来てはいるんだけど…なんか、足りない気がして」

「足りない?」

「…待ってくれていた人に感謝を伝えたいっていう気持ちは変わらない。だけどなんだろ、まだ、まだ伝えられてない気がするんだ」


自分で何度も書き直した詩。
大切に言葉を選んで、紡いで、伝えたい想いを乗せたつもりだ。

でも、それでも、足りない。


言葉だけでは伝えられない何かがある気がする。


もやもやした思いを抱える私をじっと見ていた麗奈は、やがて私の頭を軽く拳骨で叩く。



「いたっ!…何?!」

「あなた、バカなの?」

「突然暴言とは良い度胸だね…どういうこと?」



頭をさすりながら文句を言えば返されたのはストレートな罵倒。
いくら付き合いが長いからとはいえ根拠のない悪口は流石に許容できないと睨むと、彼女はあっけらかんと言い放つ。



「私たちが言葉以外で思いを伝える方法なんて簡単じゃない。





………音楽よ」
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