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Let's play our music!【うた☆プリ】

第24章 またここから始めよう




あの日、私たちはここで関係を断ち切った。
どこか惹かれあっていた自分たちに歯止めをかけた。

そして仲間としての関係をやり直したのだ。


その歯止めを、ここで壊そう。



そして今日、ここから、今度は私たちの新しい関係が始まるのだ。



「……っ、」



重ねられた唇は熱くて甘い。
2度目のキスはやっぱりどこか後ろめたさがあるけれど、それでもそれを上回る幸福感があった。

キスの間に漏れる彼の吐息は魅惑的で、再度される口づけは甘美。
何度も何度も、啄むようなキスが続けられた。


「ちょ、くすぐったい…!」

「大人しくして、レディ。久しぶりに君に触れられたんだから」


やがて彼の口付けは私の頬、額、指、首にまで降ってくる。
むず痒さに身をよじると、それを制するように手を握られた。



「俺に君を感じさせて、…」



そんな掠れた声で求めるのは反則だ。
そう言われてしまっては、私は力を抜かざるを得ない。

早乙女学園の合宿以降会えていなかった私たち。
その間互いに触れるどころか存在を認識することさえなかった。
そう思うと今ここで彼と共にいることがひどく稀有なことに思える。

そっと彼の髪を撫でると彼は嬉しそうに目を細めた。


「ねぇ、レン」

「どうしたの?」

「私ね、今度また歌うの。そこで私の芸能生命が終わるか決まるんだけど…その時、あなたに来て欲しい」


復活の日は近付いている。
ようやく見つけたアイドルとしてのあり方にはまだ戸惑うことも多いけど、それでも随分自分の視界ははっきりしてきた。

何をすべきか、伝えるべきか。

最初は答えられなかった麗奈の質問にも答えられる。

その、良くも悪くも私にとってけじめの場となるそこに、レンにもいてほしかった。
きっとそれだけで、私は力が出せると思うから。


「もちろんさ、君がそれを望んでいなくても俺は行くよ」

「ありがとう」

「それだとまたしばらく会えなくなるんだね」

「そう、なるね」


それなら。
彼が突然私に体重をかけてきて、そのまま2人、ベッドへと倒れこむ。


「寂しくならないように君を充電しておかないと」


悪戯っぽく片目を瞑って微笑むレン。
そんな彼に承諾の意を込めて腕を広げると、彼は私を抱きしめる。


そしてまた、キスをした。
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