• テキストサイズ

Let's play our music!【うた☆プリ】

第24章 またここから始めよう



「レン!!!」


叫んだ言葉に、呼ばれた彼は体を固くした。
その後、ゆっくりとこちらを振り返った彼の瞳は驚いたように見開かれている。


ほんの数ヶ月の間だったはずなのに、長く見ていなかった気がする青の瞳。
その瞳が私を捉えてくれることを、どれだけ夢見ただろう。


「……?」


随分久しぶりに聞く気さえする、艶やかな声。
その声で私の名を呼んでくれることを、どれほど望んだだろう。


新曲を考えていても、何気ない時間を過ごしていても、いつも頭の隅にあなたがいた。
だから、私は頑張れた。

あなたと同じステージに立つ。
その新しい目標が、私の背中を押してくれたから。


「レン、デビューおめでとう!」


呆気に取られた彼のそばにまでやって来た私は、精一杯の笑顔で彼にお祝いを告げる。
本当は抱きつきたい心境であったものの、私たちはそんな関係ではないし他の人たちの目もある。

軽率な行動は取れないと踏みとどまったものの、私の顔はさぞや歓喜に満ち溢れていることだろう。



「君、どうしてここに…」

「ある人に誘われて見に来てたの。皆がデビューなんて驚いちゃった」


対する彼は今も事態が飲み込めていないようで呆然としている。
そんな彼に説明をしようとしたところで、私に気付いて駆け寄ってきた2人がいた。


「?!」

「久しぶり、翔。デビューおめでとう」

「あなたという人は…今までどこにいたんですか」

「トキヤ、おめでとう。その話は後でするよ」



翔とトキヤとも久しぶりに言葉を交わす。
2人も神宮寺さん______レン同様驚きに目を丸くさせている。それでも、私と言葉を交わすうちに2人の顔には笑みが戻ってきた。



「他の皆は?」

「もうすぐ来ると思いますよ」

「あぁっ!!だ!!」



トキヤのその言葉に被って音也の声が届く。
同時にたくさんの足音が聞こえて、トキヤから視線を移したらその先には会いたかった人たちがいた。


那月も、真斗も、音也も。


そして、春歌も。
/ 200ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp