Let's play our music!【うた☆プリ】
第20章 予期せぬ別れ〜side神宮寺レン
が書き残した手紙から顔を上げる。
たった、たったこれだけの手紙で納得なんて出来るはずがない。
でも、1つだけ分かったことがある。
「……歌おう」
俺の言葉に皆が頷く。
どうやら考えていたことは同じだったらしい。
「音楽が、きっとまた私たちとを引き合わせてくれます」
イッチーが言葉を引き継いで、また皆でそれに頷く。
誰からともなく走り出し、何も言い合うことなくある場所へと向かった。
辿り着いたのは湖。
綺麗な場所だと、が気に入っていた場所。
もう既にこの学園にいない彼女に届けるには、きっとここがいいと思った。
全員がそう思ったなんて、君は本当に皆と打ち解けていたんだね。
少し妬けてしまうような、それが君らしいと思うような。
子羊ちゃん…七海春歌とは違う、人を惹きつける魅力を持った君が。
好きだよ。
離れていても、これだけは変わらないだろう。
俺も歌い続ける、必ず卒業オーディションに受かって、アイドルになるから。
そうしたら、君の答えを聞かせてほしい。
「よーし、いくよーっ!!」
イッキの元気一杯の掛け声に合わせて息を吸い込む。
自然の澄んだ空気が肺を満たし、そのエネルギーを受け取って声が発せられる。
そうして、七色の歌声が響き渡った。
たった1人の少女のための歌。
この広い空の下のどこかにいる君に、届きますように。