• テキストサイズ

Let's play our music!【うた☆プリ】

第20章 予期せぬ別れ〜side神宮寺レン




が書き残した手紙から顔を上げる。


たった、たったこれだけの手紙で納得なんて出来るはずがない。
でも、1つだけ分かったことがある。



「……歌おう」


俺の言葉に皆が頷く。
どうやら考えていたことは同じだったらしい。


「音楽が、きっとまた私たちとを引き合わせてくれます」


イッチーが言葉を引き継いで、また皆でそれに頷く。
誰からともなく走り出し、何も言い合うことなくある場所へと向かった。






辿り着いたのは湖。
綺麗な場所だと、が気に入っていた場所。


もう既にこの学園にいない彼女に届けるには、きっとここがいいと思った。


全員がそう思ったなんて、君は本当に皆と打ち解けていたんだね。
少し妬けてしまうような、それが君らしいと思うような。



子羊ちゃん…七海春歌とは違う、人を惹きつける魅力を持った君が。



好きだよ。

離れていても、これだけは変わらないだろう。



俺も歌い続ける、必ず卒業オーディションに受かって、アイドルになるから。


そうしたら、君の答えを聞かせてほしい。





「よーし、いくよーっ!!」


イッキの元気一杯の掛け声に合わせて息を吸い込む。
自然の澄んだ空気が肺を満たし、そのエネルギーを受け取って声が発せられる。



そうして、七色の歌声が響き渡った。



たった1人の少女のための歌。





この広い空の下のどこかにいる君に、届きますように。

/ 200ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp