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Let's play our music!【うた☆プリ】

第16章 膨らむ期待



そして、買い物当日。

食堂に集合した私たちは、神宮寺さんの提案でくじ引きをすることになった。


「3人で1グループだったら固まって行動できるだろう?」


先日言っていたアイディアとはこのことだったらしい。
わざわざ作ってきてくれた彼に礼を言うと、気にすることないよとあっさりした答えが返ってきた。


「じゃあ、引こうか」

「そうだね!うわぁ、くじ引きなんてドキドキするね!」


一十木さんの緊張したような声につい笑ってしまう。
子供のような反応がなぜだか面白かった。

彼の持つ雰囲気というのは皆を明るくしてくれる。
そばにいると私も自然と笑顔になってしまう。




そんな一十木音也という人間と私はめでたく同じグループになった。



「よろしくね、一十木さん」

「こちらこそ!ね、これを機会に名前で呼ぼうよ!翔のことだって名前呼びだしさ」


どうやら彼は前から気になっていたらしい。
どこか距離を置いていたのを敏感に感じ取っていたのだろうか、彼のやや強引な言葉に私は頷いた。

私もこの人ともっと話したいと思ったし、ね。


「えっと、じゃあ音也」

「うん!よろしくね、!」


自分のことを名前で呼ばれるのは好きだった。
名字で呼ばれるより相手を身近に感じられる気がする。

出来ることなら親しい人達からだけでも名前で呼ばれたいと思っていたから、彼の提案は実際願ったり叶ったりだった。


「わぁ、音也くんととですか〜!」

「四ノ宮さん!」

「じゃあこの3人で今日は回るんだね、よろしく!」


私のことをと呼ぶのは彼しかいない。
そう思って振り向くと予想通りの人が後ろには立っていて、私たちと同じ色が塗られた割り箸を持っていた。


「これで皆決まったね」


神宮寺さんの声に辺りを見ると、なるほど3つのグループに気付けば分かれていた。


春歌と聖川さん、翔。

神宮寺さんと華、友ちゃん。

そして音也、四ノ宮さん、私。


これでグループは決定。


メンバーとしてはあまり話すことのない違うクラスの2人ではあるけれど、ちょっと楽しくなっている自分もいた。
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