第6章 かみさまのこどもたち 神田夢
「死ぬなんて簡単に言ってんじゃねーよ」
はっとしてレイアは目を見開く。そしてばつが悪そうに頭をかいた。
「え、あー聞いてたか」
ふんっと神田が息を漏らしながら呆れたようにレイアを見る。
「でけぇ声で叫んでた馬鹿が何言ってやがる」
「あぁ、うん、そうなんだけど」
あははと乾いた笑いをすると、神田は険しい顔つきをしながらこちらをまっすぐに見つめる。
「死なれるのが嫌ならその分てめぇが強くなれよ」
まっすぐな本当にまっすぐな言葉にレイアの心は打たれ奮え立たされる。意図して発言してないあたりさすが神田である。レイアはにやりと笑い伸びをする。
「ま、そうだね。努力しますかー」
神田を追い抜き、スカートを翻してレイアは彼に向けて無邪気にほほ笑む。
「神田は私より先に死んじゃだめだからね」
レイアの言葉に神田はにやりと笑って言い返す。
「いらねぇ心配だな」
レイアが軽い足取りで駅を出るとうっすらと雪が地面に積もっていた。それを踏みしめながらレイアは思う。
神様の子供たちは勤勉で、実直で、儚い。選ばれた尊い子供たちは懸命に今を生き抜こうとしている。それでも神様は私たちを見放すのだろうか。