第2章 運命の出会い
土曜日、私達は待ち合わせをして、ライブハウスへと向かった。
『ってか知ってた?今日のライブに出るバンドで、インディーズで結構有名な人たちもでるらしいよ』
『へぇー』
私はそこまでバンドに興味があるわけではなかったから、さほど気にしてなかった。
歩いて10分ほどでライブハウスに到着した。
そこにはお客さんも既にいて、中からなんとなく薄っすら音が聞こえた。
詩穂が目を輝かせながら扉を開ける。
中に入ると、さっきと打って変わって大爆音すぎて耳を塞ぎたくなるくらいだった。
扉のすぐ横に受付があり、オンザ眉毛にニット帽をかぶった女の人が椅子に座っていた。
『久しぶりですー!!』
その女の人に葵が話しかける。
詩穂と目を合わせて、知り合いなんだーとアイコンタクトをする。
『匠の名前で買ってるよね?』
葵は首を縦に振った。
どうやら葵の先輩の名前は匠と言うらしい。