第14章 赤い夫とのご挨拶
秘書らしき女の人が紅茶を運んでくれた。
《ありがとうございます》
私が話しかけたせいか少し驚いた顔をしてからニコッと笑ってくれた。
むっちゃ美人………。しかもなんかエロい!!
私は内心そう思った。
「ところで、2人とも元気にしていたかい?」
「はい。今年は挨拶が遅くなってすいませんでした」
「別に構わないよ。美桜さんとはあまり話したことがなかったよね?」
『は、はい!結婚式のときに少しだけ……………』
「美桜……………」
征十郎が少し横目で私を見てから心配そうな顔をした。
「緊張しなくてもいい。私も結構緊張しているのだから」
『えっ……………』
「息子が選んだ人だからね。それは緊張するよ」
『そう………なんですか』
私は結構驚いた。征十郎のお父さんなんだからもう少し威厳が強くあまり笑わなさそうと思っていたからだ。
「ああ。あ、そうだ征十郎」
征十郎はいきなり名前を呼ばれてはっと前を向いた。
「はい。なんですか?」
「これからの事だがとりあえずお前たち2人が泊まることは家の者に伝えてあるから適当にくつろいでくれるといい」
『ありがとうございます』
私は深々と頭を下げた。