第6章 赤い夫とのデート
『そんなん嫌に決まってる…………』
「大丈夫だよ。ついて行ったりはしないから」
征十郎は優しく、子どもにするように私の頭を撫でた。
『ごめん。毎回こんなん思ってて』
「いいよ。そんな思ってくれるほど俺のこと好きってことだろう?」
『うん………。好き。やから毎回毎回嫌って思う。変な感情になる』
「今回は俺の気が緩んでたからかもしれないな」
『え?どういうこと??』
「いつもは近づいてこられるのは嫌だから少しオーラを出してるんだけどね。今日は久しぶりのデートだったから浮かれてたんだよ」
私は嬉しいやら恥ずかしいやら感情が入り混じり顔が赤くなった。
「大丈夫かい?どこかで休む?」
『いや。大丈夫です』
「そうか、しんどくなったら言え」
私がきっぱりと断ると全て考えてることは見透かしてるといった笑顔で言ってきた。
『っ………。わかった、わかったから!ほら!その辺歩くんやろ!!』
私は征十郎の背中を押した。
「はいはい。行こう」
征十郎は手を差し出した。私はそれを黙って手に取った。
それからぶらぶらとウィンドウショッピングをして、カフェで休憩してか安売りのトイレットペーパーや夕食の食材などを買ってから家へと帰った。