第5章 赤い夫との風邪
〜征十郎目線〜
外は雨だ。美桜が帰ってからしばらくして降ってきた。もうそろそろ美桜が家へ着く時間だが、今日は晩ご飯の食料を買いに買い物へ寄っているはずだ。俺は会議を早く帰るためにいつもより倍の速さで会議を終わらすと家へ車を走らせた。
「ただいま」
俺は明かりが付いているリビングへと急いだ。
「美桜?」
名前を読んでも返事がない。テレビは付けっぱなしだ。俺はソファを見るとそこには美桜が寝ていた。
「美桜。起きて」
俺はまだお風呂もご飯も済んでいない美桜を起こすため体を揺らした。それでも起きないので頬を軽く叩いた。
「え?熱い?」
美桜の頬が異常に熱い。よく見てみれば頬も赤いし呼吸も荒い。そして美桜の髪は濡れていた。
「まさか……………雨の中走って………」
俺はすぐにかかりつけの病院へと電話した。