第21章 赤い夫との結婚
『あかん……力入らへん…………』
「俺に体重かけていいよ」
征十郎は私の背中をぽんぽんと叩いた。
私は言われた通り征十郎に体重をかける。
『重くない……?』
「大丈夫だよ。すまない、激しくしすぎた」
征十郎は背中にあった手を私の頭に持っていき撫で始めた。
私はこくりと頷いた。
『…………初めての人にこれはしたらあかん』
「……え?」
『な、何回も言わさないで……』
「初めて……なのか?」
征十郎へ驚いた口調で言った。
『男の人と付き合うのも初めて』
「そうなのか……」
征十郎は何故か嬉しそうだった。
『ごめん。もう大丈夫。立てる』
私はゆっくりと征十郎から離れる。いや、離れようとした。
「美桜」
征十郎は私をきつく抱きしめる。
『ちょ。きついって!はな「これから」』
征十郎は私の言葉を遮って言った。
「これからたくさんの美桜にとって初めての事を俺が貰う。もちろん他の男に触らす気もやらせる気もないがな」
『う、うん…………』
私も馬鹿ではないのでその意味が何を示しているかは分かる。
私はだんだんとリアルに思ってきて顔が熱くなる。