第19章 赤い夫との出会い
騒ぎを聞きつけたのか、周りに人が集まってきた。
「人が多くなってきたな……。東美桜。今日の放課後屋上で待ってるわ」
それだけ言うと5人は踵をかえし、帰って行った。
『めんどくさ……』
私はボソッと呟いた。そして教室へと戻った。
「美桜!!」
佳奈が私に飛びついてくる。
「大丈夫!?怪我してへん?」
遥が心配そうに私の頬に手を当てる。
『大丈夫やで。心配ありがと』
「怪我してへんって事は話だけやったん?」
ひなたが少し首を傾げて言った。
『ひなた正解。その話がな、むっちゃ厄介で………』
とりまき達との会話を大まかに話した。
「めんどくさ」
佳奈が言う。
『やろ?ほんま嫌やわ』
「とか言うてちゃんとその場所に行くんやろ?」
『行かへんかったら余計に怒らすやろ』
「それもそうやな。あと1人で行くん?」
ひなたがまたもや首を傾げて言う。
『もちろん。1人やけど?』
私がそう言うとですよね……と返事がかえってきた。