第18章 お義父さんからの心配
私たちはお義父さんが待っている部屋の前へとたどり着いた。
こんこん
「入れ」
お義父さんの声が中から聞こえてくる。
「失礼します」
『失礼します』
私は征十郎のあとに続いて中へと入った。
「まあ。そこへ座ってくれ」
「はい」
『はい』
お義父さんは淡々と、ただ淡々とした口調で私たちに指示をした。
「征十郎。美桜さん。すまない」
「え」『何が』
それは一瞬だった。
パン!パン!
『つっ…………』
それはあまりにも唐突だった。
「父さん…………」
征十郎はお義父さんを睨みつけていった。
「征十郎には妻を守れなかった罰として、美桜さんには私を心配させた罰だ」
と、にこやかに、にこやかにお義父さんは言った。
『あの、お義父さん…………』
「美桜さん。本当にすまない。こんなに綺麗な肌に手加減はしたが平手打ちなんて。」
お義父さんは私の頬に手を置いて言った。
正直言ってそこまで痛くないんだよな……。というか痛くない。
『大丈夫ですよ。全然痛くありません』
私は心配しているお義父さんに向けて優しく言った。
「父さん。俺には…………」
「お前には本気だ。妻をこんな目に合わせて……。恥を知れ」
「はい…………」
『違うんです。私がただ気を抜いてしまったから……』
「美桜。いいよ」
『でも……!!!』
私は征十郎1人で責任を負わないようにするので必死だった。