第4章 赤い夫との夜
玉ねぎとベーコンとにんじんを切ってから炒めて………。私はキッチンを行ったり来たりしながらちゃくちゃくとオムライスを作っていった。すると征十郎が少し赤い顔でボディソープの香りを漂わせながらキッチンへと来た。
「いい匂い」
『もうすぐ出来るから机拭いてからお茶入れて。あ、ワイン飲む?』
「ワイン飲むよ」
『じゃあ私も飲むからグラス出しておいて』
わたしの密やかな楽しみはこのワインだ。征十郎とご飯を食べながらゆっくりのワインを飲むのが最高なのだ。少し胸を踊らせながら仕上げに取りかかった。
『できたよ。取りに来て』
「ああ」
征十郎は出来たオムライスをとりに来た。
「『いただきます』」
私たちはとりあえず1口ワインを飲んでからオムライスを食べ始めた。