第12章 12
「そ、それならいいんだけど」
光はそういいながら背後にいるさくらを見た。
「こちらの方は…?」
雅臣がそう問いかけようとすると、エレベーターから次々に人がおりてきた。
「あー腹減ったー!」
「僕も。朝からのロケ大変だったしね」
「朝みないと思ったらそういうことだったのか」
「おっひるー♪おっひるー!」
「ぶはーっ!ったく、なんでみんな一緒に乗るんだよ!」
「窮屈、だったね」
「無理して乗るのはよくないとあれほど言い聞かせているというのに…」
ゾロゾロと出てくるわ出てくるわの大所帯。
「久しぶりだね、アンタたち」
そう大所帯に声を掛けると、一斉に驚きの声が上がった。
「今日はアンタたちに紹介したい人がいてね。
俺の大切な人」
朝日奈さんに促され、兄弟たちの前に立つ。
「はじめまして、花森さくらです」