第3章 3
軽快な携帯電話の着信音がする。
もぞもぞと携帯を探し、寝ぼけ眼で電話を取る。
「…Pronto?mm…Chi e`?」(もしもし?んん…どちらさまですか?)
「Sono Hikaru. Sei sevegliati?」(光だけど。あなた起きてるの?)
「Si,si…。(うん、うん…)Hikaru…あっ!朝日奈さん!?」
「おはよう、ねぼすけさん。よく眠れた?いまそっちに車で向かってるわ。もう30分くらいでそっちにつくからちゃんと準備して待ってなさい。じゃ」
一方的に電話がきれた。
「…女の人の方の朝日奈さんだった…」
なぜだかわからないが、なんだかホッとした自分がいた。
「…いけない。準備しなきゃ」
私は急いで身支度をはじめた。