第2章 2
夏休みのある日。
練習室を借りての練習を終え、いつもの時間にいつものオープンカフェでゆっくりとアイスコーヒーを飲む。
「暑いのに外で飲んでるの?」
そんな言葉とともに清楚なワンピースに身を包んだ朝日奈さんがやってきた。
「わぁ、朝日奈さん。お久しぶりですね。そのワンピース、すごくお似合いです!」
「久しぶりね、ありがと」
ニッコリと綺麗に笑う朝日奈さんは見とれてしまうほどに美しかった。
「今日もお仕事帰りですか?」
「えぇ。でも随分資料が集まってきたから、ちょっとゆっくり出来そうなの。だから、さくらをディナーに誘おうと思って」
「ディナー、ですか」
「取材中にちょっといいお店を教えてもらって、ぜひ行きたいなぁって思って。一人で行くのも味気ないでしょう?だったら可愛らしい歌手さんを連れて行こうかなーってね」