第1章 four plus one
「はぁ…はぁ……っ」
いつも登下校をしている道の、脇に並んでいる木の下。
「はあっ…あー…はぁっ……」
息を切らしながらもたれかかる私。
…走りすぎた。
自慢じゃないけど持久走で学年最下位の私が、学校から家まで走ろうなんて考えるんじゃなかった……。
「はぁ…はぁ……。ふぅ…。どうするか」
ここから家まではまだ結構あるし、バス停はその経路からはずれちゃう。
「はぁ…ん?」
息を整えて、下の方を見てみると、小さなペンダントのような物が落ちている。
光を反射してキラキラとしているペンダント。間近で見なくても、その綺麗さは伝わってくる。
でも、やっぱり近くで見てみたくて、好奇心で拾い上げてみる。
「わぁ…。やっぱり綺麗……。こんなきれいな物、誰が落としたんだろ…」
そう言いながら、そのペンダントをじっくりと見てみる。すると、中心の所に何か文字が書いてあった。
どうやら、日本語ではなさそうだ。かといって、英語のようでもない…。
その文字に私はそっと触れてみた。
「……っ?!」
―――その瞬間。視界がグワンと歪み、見えていたものが全てセピアカラーに見える。
何…これ……。
これ…、どうなっちゃうの…。
そこで、私の意識は途絶えた。