第20章 ➕コーダ
「多いな」
彼女が両手いっぱいに抱えたそれに俺は若干引いた。
5袋はあるであろうそれを大事そうに澤木が抱え、彼女の荷物らしい女物のバッグを及川が持っている。
「楽しみでつい」
胡乱な瞳で云われて戸惑う。
「さ。やろ!」
集まった土手から降りて河原に行く。
及川が彼女の荷物の中なら折りたたみ式のバケツを出して水をくむ。
「はい、岩泉さん」
バリバリとパッケージをはぎ荷物から出したゴミ袋に放り込み澤木が花火を差し出してくる。
受け取ると、すかさず彼女は荷物から使い込んだ感のあるジッポーを出して火をつけてくれた。