第20章 ➕コーダ
【花火をしませんか】
ある日の昼、そんなメッセージが彼女から届く。
――澤木燁。
幼馴染みの及川徹の恋人にして、あどけない面からは想像もつかないエロテロリストだ。
泣いている顔が最高に可愛い。
特に及川を想って泣く彼女の顔はまつ毛の一本一本すら芸術的な美しさがある。
【本音は?】
河原で花火をして喜ぶような歳じゃない。
【掛け持ちしてるコンビニで仕入れ過ぎたから余りを買わないかと云われまして】
花火の袋を押し付けられ困っている彼女の顔が目に浮かぶようだ。
【時間教えろ】
送ると可愛らしいマルチーズがokと丸をつくるスタンプが返ってきた。