第20章 ➕コーダ
それにシガーキスならぬ花火キスで他の花火に火をつけていく。
「澤木、煙草飲うんか?」
まだ彼女について知らない事は多い。
「職場の人が吸うので、貸すのに」
自分を鍛錬するのが好きな彼女が煙草を嗜むのは違和感があったから納得する。
「綺麗だねー、夏は花火だね」
及川が間抜けな顔をして云う。
「もう秋です。ちょっと寒い」
荷物からパーカーを出して澤木は着ている。
「夏か…」
三人で色んな事をした。
まさかもう幼馴染みの縁もやっと切れたかと思った及川と又こうして親しむ日がくるとは思ってもみなかった。