第1章 兼さんが全部悪い
「僕が兼さんの恋人になってからもう二年くらいだよね」
息がかかるほど近づいた国広に二年前のあの日の顔が重なった
雪降る二年前夜、ちょうどこの部屋で真っ赤になりながら短く「好きだ」と告白したら真っ赤になって頷いてくれたあの日の国広の顔に。
「兼さんみたいなすごい刀が、僕みたいな本物かどうかも分からないようなやつに『好きだ』っていってくれてものすごくうれしがったんだ
だからね 僕は兼さんにだったら犯されてもいいとおもっていたんだけどね」
白魚のような指が俺の腹をさらりと撫でた、