第1章 兼さんが全部悪い
「も、もう 許してください兼さん」
さすがにやり過ぎたと思い瓶を抜いて向き合うように国広を自分の膝の上に座らせた
「ごめんなさい、ごめんなさい」
「もういい 謝るんじやねぇ 俺が悪かったんだ」
「そ、そんなことないよ」
「いや、俺が悪かった お前がそんな風に思っていたのに俺は『嫌われるかもしれない』そんな思いでお前を抱けなかったんだ」
本当は告白したその日からずっと抱きたいと思っていたが『嫌われるかも』
『傷つけるかも』 そんな考えに縛られて抱いてやれなかった
「全く情けねぇ刀だぜ」
心から自分のことをそう思った