デジタル世界に迷い込んだ選ばれし8人の他にあと二人いた?
第8章 人間界とデジタルワールド
ホエーモンのおかげで無事上陸することが出来た私達。ホエーモンとお別れをして、新しい大陸に上陸する。
「んー!やっと着いたぜ」
「そうですね。これからどうしますか?」
「取り敢えずここらへんを探索すっか。」
と言う太一とコウシロウに従って、探索組と待機組とで別れた。待機組は、秋くん、私、ミミちゃん、ジョウ先輩。探索組は太一、ヤマトさん、ソラさん、タケルくん、コウシロウくんだ。
「いってきまーす。」
「気をつけてねー。」
待機組の私たちは食料集め。釣竿を使って魚を待つ。
「…………小姫。ちょっといいか?」
「…うん」
「ジョウ。俺達は食べられるものを探してくるよ。」
秋くんはそう言って私を連れていく。もちろん話したいことがあるからだ。
「…………秋くん。」
「………………」
ヤマトさんと話している時、私は隠れている秋くんに気づいていてわざとああいうことを言った。
「……俺は………」
「…………秋くんには感謝してるし、私の大切な、大好きな家族だとも思ってるよ。」
中々言葉を紡がない秋くんに代わって私は口を開く。
「だからこそそんな家族である秋くんの重荷になりたくないの。」
「………重荷なんて思ったことない」
「秋くんにはなくても私にはあるんだよ。私は自分が20歳まで生きていられるか分からないことぐらい知ってるよ。」
「!?」
「お母さんがそうだったから。私はお母さんより重くて、進行も早いからお母さんより生きられないと思う。」
「……………小姫」
「別に隠してたから怒ってるわけじゃないの。私が思ってるのはヤマトさんに言ったことすべてだよ。」
「…………俺は………」
「今のままだと秋くん。私がいなくなった後、私の後を追うとか言い出しそうだから。」
「………………」
黙ってこっちを見ない秋くん。言わなくてもわかるよ。家族だもん。
「私は私で精一杯生きるよ。だから、秋くんも秋くんで精一杯生きて。約束。」
「……ああ。」
久しぶりの指切りに私は微笑んだ。