デジタル世界に迷い込んだ選ばれし8人の他にあと二人いた?
第5章 デビモンの罠と新たな島
大きな音がして目を開けるとタイチがいた。
「タイチ?………あ、私間違ってタイチのベットに来ちゃったんだ。」
「クハハハハハハ!!!」
誰かの笑い声。見ると、傷だらけの秋くんとレオモン。
「秋くん!!レオモン!」
「動くな小姫!!」
秋くんの大きな声でびくっとなる。
「くっそー!アグモン行くぞ進化だ!」
「うん!タイチ!」
《アグモン進化───グレ………》
「…………出来ないよー。」
アグモンがぐでっとなる。
「なんでだ!?腹いっぱいくったろ!?」
「クハハハハ!!!」
そのデジモンがお腹をかかえて笑う。
「……罠だったんだ。俺たちはこいつに幻覚を見せられていた。だから俺たちは食事をとってはいない。」
そんなこともわからないのかと秋くんが言う。
「だったら、なんでお前は進化できるんだよ!」
「俺は持っていた保存食をライモンにあげていた。」
秋くんが言う。だけど
「秋くん、その保存食は………」
「残ってない。」
……いくら保存食を食べたと言ってもたかがしれてる。それにいくらレオモンといっても休養なしでの一人の戦闘は無謀だ。さらに相手は強い。
「俺があいつを引きつけとく。その間にみんなを連れて逃げろ!急げ。レオモン!」
レオモンの攻撃が激しくなる。
「…………私も戦う!ユタモン……」
「だめだ!!!」
秋くんが私を睨む。
「一番の戦力のタイチたちが進化できない今逃げるしかない。」
「ユタモンはまだ進化していないから一番戦闘の負担はない!他の人より元気だよ!レオモンだけじゃ………」
「いいから!!」
「秋く…」
「タイチ、小姫を任せた。」
「………分かった。死ぬなよ。」
タイチが私の手をつかむ。そして、みんなに走るように合図する。
「おっと、逃がすか。」
そのデジモンが手をかざすと、みんなが乗っているベットが宙へと浮いた。
「きゃあ!!なにこれー!?」
「ふむ、そろそろお遊びは終わりとするか。」
そして眩い閃光と共に私の意識は落ちていった。